数ある金融商品のなかでも、
不動産をオススメする理由。
多くの金融商品には相場があり、時代の経済状況とともに変動するのが常です。不動産投資のメリットとして挙げられるのは、世の中の景気などに左右されにくい担保性にあるといえます。土地や建物の担保価値に対して銀行も融資を行いますし、そこに確固として物件があることの安定感が、他の金融商品との違いといえるでしょう。
不動産投資は毎日レートの変動に一喜一憂することなく、比較的安定した家賃収入(インカムゲイン)が見込める運用手段です。資産家にとって持っている現金を使い果たして、資産を減らしていくことは最も避けたいことです。現金を不動産に換え、そのインカムを使っていく分には資産は減らしません。
不動産の資産価値は、長期間掛けてゆっくりと減少していく特性があります。株や為替のように、今日明日で急激に価値が変動するというリスクは、まず存在しません。言い換えると、ある程度予測可能で、戦略によっては売却益(キャピタルゲイン)も見込めるということになります。法人税、所得税、相続税の最高税率が約50%であるのに対して、長期譲渡税は約20%となっており、税金面でも有利となります。
不動産投資が経営である以上、
プロの視点が不可欠。
上記のように、数ある金融商品のなかでも不動産は安定的な家賃収入と売却益を見込める、比較的堅実な運用方法であることに相違はありませんが、実際に蓋を開けてみると苦戦しているオーナーも数多くいらっしゃいます。勝ち組は優良資産が現金を生み、その現金がさらに資産を増やします。大きくなった資産がさらに現金を生む一方、借入金は減っていき、純資産拡大のサイクルに入ります。
勝ち組と負け組の差はどこにあるのでしょうか? 一概にはいえませんが、科学的根拠をもって不動産投資を行っているか、そもそもそこに大きな違いがあると考えます。不動産投資は比較的安定した投資方法であると述べましたが、そこにはプロによる投資分析をもって運用していることが前提になります。
思ったほど儲からないのはなぜか、それは収入と支出の見込みが甘いからです。夢が膨らむばかり、収入面ばかりに目がいき、修繕費用や固定費用等支出面を甘くみてしまっているのです。不動産会社の言うことを鵜呑みにしてはいけません。彼らの目的は売却によって生じる仲介手数料と売却益のみです。彼らがその後の運営や利回りに関して興味を持つことがないのはそのためです。実際に運営してみてはじめて、空室対策の難しさや家賃の下落スピードに不安を感じるのです。
実際の運営には様々な経費が掛かります。固定資産税、賃貸管理費をはじめ、空室対策に掛かる広告費や現状回復費用、老朽化による小規模・大規模修繕費など、想定以上の費用負担が発生することを考えておかなければなりません。一般的に、売上に対する経費率として、新築の場合は約20%、中古の場合は約40%といわれています。しかし、不動産会社はもっともっと低く見積もっています。思いのほか経費が嵩む可能性があることを想定しておかなければなりません。賃貸経営にも損益分岐点が存在し、損益分岐点を超えた部分が利益になるのです。
厳密ではないですが、分かり易く言うと、表面利回り8%を損益分岐点とすると、7%代は赤字、8%でトントン、9%で1%分の利益、10%で2%分の利益になります。したがって、9%と10%とでは利益に2倍の差がついてくるということになるのです。
財務的な知識を持つことなく、勧められるままに不動産投資や賃貸マンションの建築を行って後悔する資産家が多いことは残念でなりません。このあたりは一般のオーナーには非常に難しい判断といえます。経験と実績、そして徹底した投資分析から導き出される答えを尊重し、信頼できるコンサルタントの意見を仰ぐことが重要です。
分析結果サマリー
不動産投資は
出口戦略を見極めて行うもの。
一般的に、不動産投資における一番の醍醐味は安定的な家賃収入が得られることですが、修繕費などの保有コスト次第では、いったん現金化し、新たな物件に組み替えるなどの選択も必要です。また、建物の減価償却残が少なくなると、ローンが付かなくなります。これは致命的です。一気に資産価値が減少します。
これは日本の金融機関の問題ですが、今のところ銀行の意識を変えることは困難です。アメリカでは減価償却の概念は税務上のもので、耐用年数が経過した不動産の融資には影響しません。ですので、売却のしやすさや、より多く売却益が得られるタイミングを見極めて運用をする必要があります。
不動産投資は比較的景気の影響を受けにくい運用方法であることは述べましたが、物件の価格や価値には関わってきます。これは他の金融商品にもいえることですが、アベノミクスによる金融緩和により市場にお金が多く出回り、インフレ傾向となって商品の価格が上昇します。逆に金融引き締めになると商品の価格が下がります。
より多く売却益を見込めるという意味では、現在は売り時ともいえます。競争原理を働かせて高く売るためには、経験と実績がモノをいいます。値付けや入札方法、公開方法など、販売戦略のやり方によって売値が大きく変わってきます。だれにどのように頼むかによって利益が大きく変わってくるのです。
投資の内部を見える化し、
レバレッジと投資効率をコントロールする。
購入時に投資分析を行う方は大半ですが、物件保有中に分析する(中間分析)方は殆どいません。
中間分析は、投資内部の効率や安全率の経年変化を明らかにすることができます。購入時の分析結果とのギャップを把握することで問題点が浮き彫りになってきます。
保有後、数年にわたってキャッシュフローの変化がなければ、投資の内部変化を察知することは非常に困難です。それは、BTCF(税引前キャッシュフロー)に変化がなくても以下の変化が互換的に起こり、表面化しないことが大きな理由となります。
それでは、総投資額5,000万円、ネット利回り8%、ローン定数6%の中間分析を行い、投資の内部がどう変化しているのかを検証してみます。
投資内部の変化(残債の減少)
それぞれBTCFは160万円となりますが、注目すべきはCCR(自己資本配当率)の変化です。
BTCF160万円を得るために投資されている自己資本が1,000万円であればCCRは16%ですが、3,000万円になると5.3%です。16%のCCRを得ることができる投資に入れ替えられるのであれば、3,000万円の自己資本から得られるBTCFは160万円から480万円になります。また、ネット利回り8%の投資を現金で行う場合でも、BTCFは240万円となります。
このように投資効率が悪くなってきた物件は思い切って売却することで、規模の大きな投資に入れ替えることができます。レバレッジと投資効率をコントロールすることで、資産形成を加速することが可能となります。